松山から約100km南に位置する宇和島市。
宇和島城を中心として栄えた伊達10万石の旧城下町で、宇和海での真珠や魚の養殖業が盛んな土地です。
松山方面から国道沿いを走っていると、トンネルを抜けた直後に海が広がり、これぞ瀬戸内海という穏やかで爽やかな景色が広がります。
あ~気持ちい~、車を止めて背伸びしていると、ちょうどタイミングよく列車がやってきましたよ^^
さて、今回で2回目の訪問となる、宇和島市内の「よしを民芸店」さん。
地域の民俗芸能に基づいて、お張子で「牛鬼」や「鹿面」などの郷土玩具を製作している工房です。
60年前の貴重な牛鬼を見せてくれました。
牛鬼というと「魔除け」ですから顔の周りに毛がワサッと覆いかぶさった、恐ろしいものをイメージしていましたが、どうも当時は馬の毛が貴重だったのでそんなにつけてなかったよう。。
衒(てら)いのない、いい表情しています。
先代からはじまったよしを民芸店、現在は2代目宇都宮よしをさんが継承しています。
お話を進めながら、どうしても鹿面の型が気になり、棚の上段にあったもの無理言って下ろしてみせて頂きました。
今はもうこの型は使われていないそうですが、重ねられた和紙が非常になめらかで、画像で見てもわかるように一つの段差もなくツルッツル。
「ほらほら、こういうとこね」
と指さす2代目よしをさん。
時を経てもこうして痛みが少なく、亀裂が少ないのは、いかに先代の仕事が丁寧だったかということがよくわかると言われます。
昭和3、40年はちょうど民芸が右肩上がりの全盛期。こちらの工房も夜も寝る間を惜しんで製作していたそうで、
まだ幼なかった自分は父(先代)が寝ているところを見たことがなかったんだとか。
その尊敬する先代に少しでも近づきたいという想いで、今も製作を続けていらっしゃいます。
角を付けるとまたイメージが変わりますね。
鹿の何ともいえない表情、愛くるしい。
今回の訪問ではこのGWで観光に訪れた方たちが、愛媛のお土産にと「鹿面」、「鈴鹿」を買ってくださって品薄なので、追加注文してきました。
幼い時はさほど感じなかったのに、年々その土地のものであるとか、長年続いてきたものの良さを感じるように。。
郷土の良さを見直しながら、また発信したいと思います。
鈴鹿入荷、お楽しみに。