カテゴリ:愛媛歩き( 5 )

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9月は例年ながら更新のゆるいブログですみません。。
夏の燃え尽き症候群、、体から空気がしゅるしゅると抜けております。
まるで受験を終えた生徒のようです・・
が、いつまでも抜けっぱなし、というわけにもいきませんので、定休日、風を感じる場所へ出かけてみました。

大洲市肱川の山あいにひっそりと建つ「小藪温泉」。
(こやぶ)ではなく(おやぶ)です。
肱川に沿って上流へ向かって行きますと、野村方面へ向かう橋の手前の右手に大きな赤い鳥居が見えます。その鳥居ををくぐってさらに2キロの山道を上っていきますと、ポツリと情緒ある建物が見えてくる、そこが小藪温泉です。
この「小藪温泉」、明治9年創業と歴史は長く、木造三階の趣ある建物で、欄干つきの回り廊下が巡らせてある本館は、登録有形文化財にもなっているんだそう。
建物やお庭を眺めてるだけでも心が穏やかになります。
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温泉のつくりはごくごくシンプル。
男湯は桧風呂、女湯は岩風呂の大浴場が1つあるのみです。
写真は女湯岩風呂、龍の口からお湯が出ています。
窓の外には四季折々の緑と小薮川のせせらぎを眺めることができ、浴槽1つ、体をするところ4つのこじんまりした温泉ですが、気持ちホッとする。
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今回は日帰り温泉のみのの利用でしたが、予約をしておけばお料理を食べたりや宿泊もできるようです。
(ちなみに温泉付近では食事するところはありませんので、予約してない方は肱川の道の駅あたりまでて済ませておくとベスト。電話で問い合わせると、そこで食べてきてねって案内されました(^_^;))
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受付の隣に吊りさげれている藁発見。
職業柄、民具には目がありません。。「これは何ですか?」
「この地方でよく見られるんだけど、農作業の時に虫が寄ってこないように藁の先に布をつけて、そこを燃やして煙を出すことで虫除けにしているんだ」そうです。余談ですが面白い!

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お湯は無臭、サラッとした印象で、出たときはさほど思いませんでしたが、帰って肌がツルツルしているのに驚いた!
思わず「見てみてーほらほら」と腕の触りっこ。たしかに書いてありました、効能欄の最後に美肌って!
平日の午後、女性風呂は誰もおらず貸切状態でしたので、親子でのんびりゆったりした時間を過ごさせていただきました。
松山市街から下道でも1時間半ほど。
ちょっと足を伸ばすのにオススメです。


小藪温泉(おやぶおんせん)
愛媛県大洲市肱川町宇和川1433-1
0893-34-2007
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やちむん展の合間をぬって、内子経由でまたまた大洲へやってきました。
今回の目的は、大洲花火大会。
平日開催の花火大会?!珍しい!
と思っていると、どうやら大洲は日にちが毎年固定の8/3、4日に決まっているんだそうです。
3日は大洲城付近の肱川肱北河原、4日は臥龍山荘付近の肱南河原で。
両日合わせて約4000発ほど上がります。
覚悟してきて!と言われるだけあり、日中の大洲はサウナ状態。。
でも川べりだからか夜は涼しく、人と人との間隔も松山の花火ほど混み合ってないので、ゆったりのんびり観れました。(写真はありません・・・)

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腹ごしらえは内子の蕎麦屋さん、下芳我邸。
築140年。木蝋で栄えた商家のお屋敷は、今もなお風格ある佇まい。
なかも広々とした座敷と中庭があり、蕎麦と地元で採れた旬のお野菜が楽しめます。
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じゃーん!!ナスの天ぷら蕎麦は、なんと蓮の葉で登場!
箸置きはほおずきです。
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私はお蕎麦屋さんに来て恐縮ながらの、おナスの天ぷら定食。
こちらは抱えるほどの大きなすり鉢で参りました。
ナスは鋏で切ってお召し上りくださいとのこと。衣が薄くてサクサクです。

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お腹いっぱいになったよね~と言いながらまだ入る恐ろしい別腹。
内子まちの駅 Nanzeさんのかき氷、ブルーベリーヨーグルト。
ちょっと歩くと汗が流れますから、涼をとりながら散策しないと。

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こちらはひそかに楽しみにしていた「商いと暮らしの博物館」。
江戸後期から明治期の薬商の建物を町が買取り、大正10年頃の暮らしを再現した内子町の歴史民俗資料館です。当時の生活道具や人形を使って、食事や店売り、炊事、接客、隠居などそれぞれの生活場面をわかりやすく再現しています。
京町家のような奥行があり真ん中に中庭がある作りは、光と緑を上手く取り入れ時代を超えて落ち着く空間。
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二階の窓際、柱の透かし模様も可愛らしい。
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特に印象に残った欄間。
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瓢箪のカタチした取っ手。
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こちらは化粧部屋の磨ガラス。
見るもの見るもの取り入れたいものばかり。。。


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最後はお馴染みの内子座です。
大正5(1916)年の大正天皇の即位を祝い、地元の有志(当時は株式会社)によって建てられた歌舞伎劇場。来年で誕生100年を迎えます。
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客席は一階と二階席。
こじんまりしているので舞台と客席の距離が近く、臨場感一体感が味わえます。
一階席は、当時マス席での販売。その1つのマスに、何人入っても同じ値段だったそうです。
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天井は杉材、二条城と同じ張り方。
ちなみに床は松材で、ヤニの部分が多いため、毎日サッとモップがけをするだけで松が持つ自然の光沢が出ているそうです。
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反対に舞台からみた客席。
結構奥行があります。
当時の技術が余り進んでなかったので、2階正面に見える硝子の桟(さん)がちょっと歪んでいるんだとか。(写真では反射して見えません・・)
また、花道のちょうど7:3に位置する「スッポン」は、現在もなお人力で上げているそう!!
奈落も見学できますので、ぜひ通って見てください。地下はさすがに涼しいです。


内子を散策するには内子座、上芳我邸、暮らしの博物館の3館で使える共通券(セット券)がお得のようです。
一応提示されるものの、「でもこの暑さですからね・・・」と、どこの館の方も勧めてきません(笑)


この時期に心して散策するもよし、時期をずらして行くもよし。
すでにメジャーなところばかりですが、おすすめです。
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野村シルク博物館を後にして、午後からは大洲散策へ。
大洲市菅田町大竹にある、少彦名(すくなひこな)神社へ案内してもらいました。
常世(とこよ)の国からおとずれるちいさな神、少名彦命は大国主神(おおくにぬしのかみ)と協力して国作りをしたとされています。「風土記」や「万葉集」にも登場し、医薬・温泉・穀物・酒造の神として祀られています。
その少彦名命が終焉を迎えたとされているのがこの少彦名神社。
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本殿にあがる途中にみえる懸け造りの参籠殿。「わかりやすくいうと清水寺のような感じ」という説明にふむふむ、納得。
米ニューヨークに本部を置く、文化遺産の保護活動に取り組んでいる非営利組織「ワールド・モニュメント財団(WMF)」が2014年版「文化遺産ウォッチ」(危機遺産)に選定し、修復に助成金を拠出することを決めたのは記憶に新しいところです。
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「伊予の小京都」と呼ばれる大洲。盆地なのでなんせ湿度が高い、拭いても拭いても汗が止まりません。でもこの参道は別世界。しばしの休息。
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あ、キノコみっけ!

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そしてお腹すかせてお昼は西大洲のカフェ、Bourton(ボートン)さん。
肱川のそばの白い平屋で、ご夫婦で切り盛りされてる素敵なカフェです。
同じ火曜日がお休みなので中々来れず・・でもどうしても一度来たかったので、念願かなったり。
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お忙しいランチの時間帯でしたが、「かりんさんの小鹿田焼^^」とさりげなく。
手づくりの温かな食事と、ご夫婦の好きなものに囲まれた優しい空間。穏やかな時間が流れます。
思わずケーキも食べちゃった^^
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「ブルーの小屋も手づくりで」という向かいのお庭も気持ちがいい。どこを見ても色とりどりの花が咲いています。
この日大洲を案内してくれたYさん まるで絵本の中の少女のよう^^。

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散策のとりは、「臥龍山荘」。
言わずと知れた名所です。
肱川流域随一の景勝地「臥龍淵」に、明治に一代を築いた大洲出身の貿易商・河内寅次郎が京都や神戸の名工を呼び寄せ構想10年・工期4年の長い歳月をかけて建設した別荘。
明治40年(1907年)に完成しました。
臥龍院(がりゅういん)、不老庵(ふろうあん)、知止庵(ちしあん)からなる3つの建造物と借景庭園が広がり、眼の前には冨士山(とみすやま)や肱川を眺めることができます。
昭和55年にたまたま山荘を訪れた故黒川紀章氏も絶賛した数寄屋建築。
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建物内には、先人の粋で細かなおもてなしの演出が随所にみられます。
中国では縁起物とされるコウモリを襖の取っ手のデザインに取り入れた
床の間の丸い窓と違い棚は月と雲を表現しており、正面に座るとその月が満月に見える、少しずれると半月や三日月に見え、座る位置によって月の満ち欠けを感じられる
襖に竹の絵、取っ手に梅、もうひとつ松(どこか忘れた)を取り入れて松竹梅となす などなど
ここへ来たらぜひ係りの方説明を聞くことをオススメします、何倍も楽しめますよ。通り過ぎるだけではもったいない。
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「一番奥にある不老庵では、ぜひ支柱を見て帰ってくださいね」と言われるので、おそるおそる高所恐怖症ながら覗いてみる。ほんとだ、生きた槙の木が不老庵を支えています。
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裏に回るとこんな感じ。ちょっと写真では見えにくいが、確かに「捨て柱」。
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あれ、配達屋さんじゃない?
肱川の橋をブーン。颯爽とバイクで駆け抜ける郵便局員さん。
毎日の日課なんでしょうが、これもなんて素敵な演出。

大洲は松山から車で1時間ほど。
真夏の大洲は覚悟がいるようですが、それにも勝る絶景あり(かも^^)。
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先日、西予市野村町にあるシルク博物館をはじめて訪れました。
愛媛の西南部にあり、松山から40km下道をゆっくり走って1時間半ほどでしょうか。
四国カルスト・大野ヶ原があり、町全体が四国山地の支脈に囲まれた自然豊かなのどかな環境で、「ミルクとシルクのまち」=「畜産と養蚕」で栄えた町です。
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野村町の蚕糸業は明治初期にはじまり、大正初期には1100戸を超える養蚕農家があったそう。
当時の暮らしは、一年のうち春から秋にかけて稲作と養蚕を、冬の農閑期に「泉貨紙」づくりを行って生計を立てていたようです。
「そうそう、私の子供の頃はこういう家がまだ沢山ありましたよ。天井を高くして換気をよくする。蚕のことをお蚕さんと言って、人々の暮らし以上に大事に大事に育てられたそうですよ」
蚕小屋の模型を見ながら案内してくれた、ここの卒業生Yさんが教えてくれました。
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博物館では当時の蚕糸業まつわる資料や、まゆや生糸の生産に使われていた道具などが展示されています。
道具そのものが非常に美しい形をしていることにも自ずと目がいく、まさに用の美かな。

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現在は常設のほか、祇園祭理事長・吉田孝次郎コレクション「江戸時代 ヨーロッパを遊ぶ」展が開催中されています。
江戸時代中期、裕福な町人を中心に流行したヨーロッパ更紗。吉田氏の所蔵する18~19世紀のヨーロッパ更紗を中心に展示。
平日とはいえ来館者がいないのがもったいない・・・。

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昭和8年にできた製糸工場で作られる野村町産の生糸は、「カメリア(白椿)」として商標登録、国の内外で高い評価を受けました。昭和28年に行われた、イギリス女王・エリザベス2世の戴冠式で女王のドレスの一部に使用されたり、20年に一度行われる伊勢神宮の式年遷宮に奉納しているのもここ野村町の生糸です。

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また博物館では、毎年「染織講座」を開講。
全国で唯一「町内で生産した繭からの糸づくり、染織、手機織りまで」の全行程を指導する講座で、毎年10人前後受け入れています。
「こんなのを教えてくれるところ、他にはありませんから」
と関東から来られた若い女性が熱い視線で話してくれました。
特に賑わったショッピング街もレジャー施設もないところへ単身住み込みで来られるのは、よほどの志がないと難しいこと。
この日はとて日射しの強い日。湿度が高く、じっと立ってるだけでのぼせそうなくらい蒸し暑い中、研修生さんの大半は外で紅花つみと草むしりされていました。

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ご好意で、天蚕のビニルハウスへも潜入。はじめはどこにいるかわからなかったが、目が慣れてくるとココにもココにも発見しました!わかりますか?(写真向かって左上の毛があるやつ)

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全国の生糸を取り巻く環境は、ある程度予測はつきますが輸入品におされ非常に厳しい環境です。せいよ観光物産サイトによりますと、
「現在(2013)日本製の生糸は、生糸の全国シェアの約0.6%、
あとは、全部中国からの輸入生糸によるもの。
その国内産0.6%のうち、0.2%が野村産」
なんだそうです。日本の生糸そのものが非常に貴重なものとなり、そのわずかな全体量の2割が野村産。
これは県内ですらあまり知られていないことだと思いますが、野村のシルクは世界に誇れる貴重な産業です。
野村のシルクは「生引き」という特殊な技法を用いて、水分を多く含んだまま紡がれるため、外国産に比べて糸を引く力もそれほど強くありません。それゆえ量産はできませんが、その分ふんわりとしっとり柔らかい生糸に仕上がります。
質の高さを誇る野村のシルクですが今回話を伺うに、今やなんと養蚕農家5戸。
存続の危機に貧しています。
世界的な視野で地域の誇りある産業として盛り上げていくか否か、ここが一つの分岐点。
伝統的な農林水産物や食品の地理的表示を知的財産として守る「地理的表示保護制度」の運用に「伊予生糸(いよいと)」の登録申請したのは記憶に新しいところです。
担い手が生まれるには、まず生業としてやっていけること。
その土地に根付いてきたものづくりの価値を認め、後継者や新たな参入者が生業として収入を得てやっていけれるように何とかバックアップがないのものか。
いち個人ではどうにもできませんが、もどかしい気持ちを抱えて博物館を後にしました。
微かな望みは、野村のシルクを使いたいという需要が各方面で生まれていること。
衰退してはもったいない手仕事です。



野村シルク博物館
〒797-1212
愛媛県西予市野村8-177-1
☎0894-72-3710
9:00~17:00
定休日・月曜
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いつも視覚・味覚の両方から、ほっこり季節を楽しませてくれる南斎院の和菓子屋、大塚さん。
長年御夫婦で切り盛りされており、いつ行っても変わらない安心感のあるお店です。急な来客の際も、朝ここに寄ればいいと思うだけでアタフタせずに済み、本当に助かります。

和菓子職人であるご主人さんの仕事ぶりは実に誠実。手を抜いていない和菓子です。餡子に妥協せず、最高級の「特赤」を使用、前日からの作り置きもなさらず、すべてその日の早朝に作っているこだわりです。
普段はお話好きな奥さんが迎えてくれますが、たまにご主人さんもお店番。対照的に口数は多くありませんが、仕事に対する丁寧な姿勢と、職人気質が伺えます。

「若い子がちょこちょこ買いに来てくれるんでね、値上げもなかなかようせんのよ。んじゃけど消費税が8%になるんでね、その時は上げさしてもらおう思いよるんよ」
この春、奥さんは申し訳なさそうに言われていました。
導入前、ここの和菓子、どれも1個100円だったのです。(その前は長らく80円) そして今は・・・1個120円。それでも十分すぎる良心的価格。今、120円で何が買えます??
それでいて、決して安かろう悪かろうではない品質。
量産はできないけれど、しっかり手のぬくもりを感じられる個人商店。子どもの頃は沢山あったのに、、今頃は珍しくなりましたね・・・淋しいなぁ。

土曜日、9時の開店に合わせていくと、おやっシャッターが閉まっています・・
よーく見ると営業時間の文字を9時30分~に書き換えてる・・・朝、少しゆっくり目に変えたんかな、とりあえず車に乗ろうと駐車場まで引き返していると、井戸端会議していたご近所のおじさんが、 
「開けるよう言うてきたげるけん、待っとうきやー」と裏口まで走ってくれました。
事情を聞けば、今までは9時に店を開け、30分位の間、時間差で商品が出来上がるごとに店頭に並べていたんだけど、すべての種類が一斉に揃ったところで選びたいという声があり、時間を9時半に遅らしたんだそうです・・。画一的でなく、作り手の善意をくみとりながら温かく買いに行きたいものですが・・これも利便性に慣れきった、、ご時世なのでしょうか。

「あ~美味しかった、シアワセよ~(^0^)」
食べ終わった後の竹講座の皆さん、満足感に溢れてます。


ここにも健康で誠実な手仕事あり。
どうぞお元気で、和菓子店、長く長く続けてくださいね!

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(急いで開けてくれたから、シャッター半分^^)

和菓子 大塚
9:30~18:00
日曜休
〒791-8032
松山市南斎院町936−5
新野小児科の東側
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